基準率の無視

基準率の無視とは、「基礎率の誤り」とも呼ばれる認知バイアスで、特定の事象の確率を判断する際に、基礎率やその事象の一般的な普及率を無視または過小評価する傾向があることを指します。このため、個人や小さなサンプルの特徴など、特定の情報や詳細に依存しすぎて、全体的な文脈や背景情報を無視したり、過小評価したりすることがあります。

例えば、ある人が弁護士であると聞かされた場合、この人は成功しやすく、知的で、教養があると考えるかもしれません。しかし、弁護士の基礎率が一般人口に比べて相対的に低いことを知っていれば、弁護士の特徴に対する認識は変わってくるはずです。

基礎率の無視は、稀な事象の可能性を過大評価したり、一般的な事象の可能性を過小評価するなど、判断ミスにつながる可能性がある。また、特に医療、金融、刑事司法などの分野では、意思決定や問題解決に影響を及ぼすことがある。このバイアスを意識することで、個人や組織は、特定の情報と一般的な背景の両方を考慮し、より良い意思決定を行うことができるようになります。